盤内温度が電気機器(制御機器や通信機器)に与える影響

制御機器や通信機器の故障率と寿命は、機器周辺の熱に大きく影響されます。盤を設置・稼働後に、トラブルが少なく修理の手間がかからない、機器の寿命が長くなり機器をリプレイスする手間をかけないなど、メンテナンス工数を軽減するには、盤内の温度環境以上の保全対策はないといっても過言ではありません。熱と電気機器の故障率も問題は、「アレニウスの法則」。熱と電気機器の寿命も問題は、「10℃2倍速の法則」から、その影響がはっきりと証明されています。

 

アレニウスの法則

温度による機器の寿命の関係は、アレニウスの法則によって説明することができます。アレニウスの法則では、基板等を構成する半導体やプラスチックやゴム材にも適応し、周囲環境温度が10℃上がれば、故障率が加速度的に上昇していくという法則です。具体的には、電気機器の使用環境温度が40℃の時に故障率を1とした場合、使用環境温度が60℃になった場合には故障率が10倍以上になります。このアレニウスの法則に基づいた考え方で制御盤や通信盤に置き換えると、盤の設置環境温度が35℃であれば、ある程度の発熱機器や侵入熱が想定されると盤内温度は簡単に50℃以上になり、故障率が上がってしまっていることが把握できます。

 

10℃2倍則

また、温度にまつわる盤内の制御機器と通信機器の寿命に関係する法則が10℃2倍則です。この法則は、電気機器の周囲環境温度が10℃下がれば、その電気機器の寿命が2倍伸びると言うモノです。ここでいう電気器の寿命は、機器内部に使われている基板上の電解コンデンサから算出されています。具体的な温度と寿命の関係では、周囲環境温度が40℃であれば機器の寿命は4万時間、一方、周囲環境温度が60℃であれば機器の寿命は1万時間まで短くなります。

 

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