制御盤・通信盤の環境シミレーションを行える環境試験室

制御盤・通信盤・分電盤は一度製作するとその試用期間は長く、使用年数が10年を超える盤も世の中には数多くあります。その使用年数の実現のためには、特にファクトリーオートメーションを支えるPLCや精密な位置決めを行うサーボアップ、周波数をコントロールする事で省エネや動作をコントロールするインバーターを格納している制御盤や、モデム等の通信の受信機を格納している通信盤は、内部の精密機器をいかに使用環境を沿った状態にするかが盤全体の寿命に直結します。
株式会社マエショウでは実際に使用される温度・湿度環境下で盤が使用された場合にどうなるかを正確に把握するために、社内に盤専用の環境試験装置を配備しました。この環境試験装置に盤を特定の使用条件での制御機器の動作や盤内部の温度を観察することで、盤全体の寿命や事前のトラブル防止の対策を行うことができます。

< 盤専用の社内の環境(温度・湿度)試験装置 >
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制御盤・通信盤の温度をコントロールする盤用クーラー

株式会社マエショウでは、盤の環境試験装置による環境(温湿度)測定だけでなく、実際に測定した結果を基に、盤内の温度・湿度対策も行っています。温度対策が必要な制御盤や通信盤には、盤用クーラーを設置することで盤内部の温度コントロールと除湿を実現します。また業界では珍しいDC盤クーラーも自社製品としてラインナップしており、供給電源がない環境下でも太陽光発電による独立電源によって盤クーラーを稼働させることも可能です。

< 盤専用の環境試験装置 >
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盤のIP:保護等級の試験設備

屋外に設置させる制御盤や通信盤に年間20,000面以上の納入実績のある株式会社マエショウでは、社内で盤の防水試験を行うことが可能です。屋外に設置された盤は雨風に常にさらされる環境に設置されることが多く、電気が流れ稼働する制御機器の基板を水分から守ることが、トラブルの軽減につながります。一方で制御機器は電気を使うため機器本体が発熱する特性があり、太陽光等の熱を直接受ける屋外盤は内部の冷却も同時に必要になります。
盤の密閉による防水と密閉による盤内の温度上昇の防止を実現する制御盤・通信盤の設計・製作は、多くの経験と専門の試験が必要不可欠です。株式会社マエショウでは盤のIP:保護等級の中でも社内でX5までの試験が可能です。また、これまでのIP:保護等級の実績としてIP55までの製作実績があり、盤の設計段階からのIP:保護等級に関する相談も可能です。盤の防水・防滴・防塵に豊富な経験のある株式会社マエショウへ、是非ご相談下さい。

< IP:保護等級の社内試験設備 >
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盤の冷却機器等の騒音試験装置

屋外盤に求められる主な3つの耐性は、①雨風のよる防水・防滴性、②塵や埃や虫などからの防塵性、そして、③直射日光による盤内部の温度対策です。①の防水・防滴性と②の防塵は、盤の密閉性を高めるシリコンコーキングや板金構造等にとってIP:保護等級を上げることで対策出来ますが、その一方で密閉性を上げるが故に内部の制御機器の熱源まで密閉され温度問題につながります。かと言って、熱を逃がす放熱部(換気ファン)があれば、水分や埃が盤内に侵入してしまいます。そこで密閉状態を保ったまま盤内部を冷却できる盤専用の冷却機器が、盤用熱交換機や盤クーラーになるのです。熱交換器や盤クーラーは、内外分離構造になっており盤内に盤外の空気をいれることなく、盤内を熱交換器の場合は放熱、盤クーラーの場合は冷却することできます。
ただ、盤用の熱交換機や冷却ファン、盤クーラーにはコンプレッサーと冷却ファンが搭載されているため、盤内部の冷却に伴い騒音が発生します。この盤専用の放熱。冷却機器の騒音が屋外盤で問題となる騒音の一番の原因となっています。IP:保護等級を高く、尚且つ盤内の温度制御も同時に行う。そのためには、盤に冷却機器が必要になり、盤からの騒音(DC盤クーラーで45dB、ACクーラーは65dB程度)が大きくなる。屋外盤はこの相反する問題を盤が設置される環境を踏まえて対策することが求められるのです。
株式会社マエショウでは、住宅地やビルの屋上などへ設置される盤から発せされる騒音を、社内の無音響試験室で実際に測定することができます。現場に設置する前に盤の実際の騒音を計測することで、盤の騒音問題を未然に対策を行うことが可能です。この音響試験室による盤の騒音試験は、高性能の盤を全国に設置される企業様から絶大な指示をいただき、連日フル稼働しています。

< 盤の騒音を計測する専門の無響音室 >
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