Before (改善前)

塩害対策や腐食ガスの腐食対策の盤の材料はステンレス材が一般的です。そうして、重耐塩塗装などの塗装を行い、品質と耐食仕様を実現します。ステンレス材のデメリットは、その材質が高いことです。そのため、盤筐体自体のコストが高くなるだけでなく、ステンレスの溶接は歪みが発生しやすいため、溶接による歪み取りの作業工数もコストアップの要因となってしまいます。設計者からすれば、できればステンレス材を使用したくないのが本音であり、代替材料を探すことが盤のコストダウンにつながることは間違いありません。

V

After (改善後)

耐食性能に優れた材料として、新製鋼株式会社製のZAMがあります。ZAMは溶融亜鉛とアルミニウムとマグネシウムによる、日本工業規格 JIS G 3323でも認められている、合金めっき鋼板の1種です。このZAM材の特徴として、非常にきめ細かい保護被膜がメッキ表面に形成されることで腐食を防止することが上げられます。このステンレスに変わる耐食性の高いZAM材を採用するコトで、重耐塩仕様などの盤筐体のコスト低減につながります。(ZAM材は通常の溶融亜鉛めっき鋼板と比較して10~20倍の耐食性がある:メーカー塩水噴霧試験より)

POINT(要約)

ZAMを鋼板材料とした盤筐体は、重耐塩仕様としてキャビネット工業会規格日本冷凍空調工業会標準規格に準拠しています。ただし、盤の鋼板材料にZAMを採用する場合、その特性として、溶接の時に一度材料表面のめっき被膜をはがさなければ溶接をはじいてしまいます。そのため組立作業の方法として、溶接ではなくビス止めを採用するなどの工夫が必要になります。