Before (改善前)

海岸地帯などの塩害地域に設置された制御盤や通信盤は、潮風にさらされる為盤全体の金属部分に腐食が発生しやすくなります。そのため腐食を防止するために盤表面に、重耐塩仕様にすることが必要です。重耐塩仕様の盤は、一般的に材料に耐食性に優れたステンレス材が採用されます。ステンレスは鉄と比較して約3倍のコストがかかり、盤全体のコストは非常に高価になります。また盤パーツであるハンドル材料にもステンレスを採用すると、通常の盤用のハンドルと比較して調達コストが高くなってしまいます。

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After (改善後)

屋外に設置された制御盤や通信盤の耐食対策は、盤筐体の鋼板にはステンレス材、塗装は重耐塩塗装とその対策方法は大きく変わることはありません。ただ盤筐体を構成するパーツは先ほど述べた鋼板だけでなく、扉と筐体を固定する蝶番や、扉を開閉するハンドルなどもあり、これらにも耐食を行う必要があります。蝶番への対策は、盤筐体の鋼板と同じですが、盤用のハンドルは仮に鉄製であってもゴムカバーをつけることでステンレス材の盤用ハンドルと同様の耐食性を発揮できます。このゴムカバーは費用的にも非常に安価なため、盤用ハンドルだけでもコストダウンを実現することができます。

POINT(要約)

耐塩仕様・重耐塩仕様を行う盤筐体には、一般的にステンレス材が採用されます。このような耐食仕様の盤であっても、ハンドルなどの被覆が可能な箇所については、ゴム製のハンドルカバー取り付けるコトで費用対効果の高い腐食対策が可能です。また盤筐体全体には、多くの金属パーツが入っており、盤用ハンドル、蝶番、ロッド棒、ボス、スペーサー等の腐食対策も忘れてはなりません。