Before (改善前)

板金加工の曲げ加工の一つであるR曲げは、一般的にベンダーマシンの取り付ける専門の金型や三本ロールによって形状を出します。金型の場合は金型のR曲面によって形状(R角度)が決まります。そのため、ベンダーマシンの専門金型を持っているか否かが、R曲げの形状を出せるかどうかに大きな影響を与えます。図面に記載されたR角度を出せる金型があればいいですが、高価な金型を多くラインナップすることは現実的ではありません。そのため設計は自由なR形状の採用が難しくなっていました。

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After (改善後)

大型の機械装置や設備機械などに採用されるR曲げ加工は、非常に緩やか鈍角曲げを連続加工する事で実現することができます。この方法のR曲げ加工は、専用金型が不要な為、金型代を気にする必要はありません。量産品の場合を除けば、鈍角曲げの連続加工によるR曲げ加工の方が費用的に大きなメリットを出すことができます。職人の技術レベルがR角度を出す為に必要になってきますが、非常に大きい板金加工品へのR曲げ形状にも対応することができるため、設計者は幅の広い形状設計が可能となります。

POINT(要約)

近年、産業用機械にもデザインが求められる傾向にあります。日本国内の大型の工作機械見本市の一つであるJIMTOF等の出展されている最新の工作機械を見ても、その傾向は明らかです。この産業機械のデザインの大きな変化の一つが、角面やC面からのR面への変化です。各機械の角を緩やかなR面が多くの大手メーカーで採用されています。今産業機械の板金加工部品の設計の中にもR曲げは、ますます多く出てくることが予想されます。