Before (改善前)

通信盤や制御盤(特に屋外に設置される盤)は耐候性を持たせるなどの機能を付加したり、外観品質の為に盤表面に塗装を施すことがあります。盤の設置環境に塩害対策が必要になる際、盤外表面はもちろんのこと、空気中にも風に乗って塩分が飛散する為、盤内部の中板やブラケットなどにも、耐食塗装することがあります。このような盤内部の塗装が必要な場合、制御機器の組付けや、電気配線作業など作業が塗装・乾燥作業を終えた後にしかできず、通信盤と制御盤の製作納期が長くなる原因となっていました。

V

After (改善後)

塩害が発生する場所に設置させる通信盤や制御盤の特定の内部パーツを、塗装によって耐食性を実現するのではなく、鋼材を変えることで耐食性を実現させて、盤の製作納期を短縮することができます。例えば、鉄製の中板やブラケットに対しては、従来の塩害対策としてフッ素樹脂塗料の塗装を施すのではなく、耐食性の高いZAM(日新製鋼株式会社製の溶融亜鉛めっき鋼板に比べ10~20倍の耐食性のある鋼板)を採用します。そうすると、塗装と乾燥工程を待つことなく制御機器の組付けや電気配線作業を平行して進めることができ、盤製作の納期短縮が可能となります。

POINT(要約)

盤内外部へ塗装は耐候性や耐食性に有効な手段ですが、塗装工程と乾燥工程により制御盤や通信盤の製作納期は長くなります。この製作時間の短縮を実現するために、盤の内部の中板やブラケットをZAMやステンレスなどの耐食性に優れた材料を採用し、製作工程の1つである電装部品を組付け配線作業を同時並行で行える設計にします。盤の耐食対策を部品単位で考慮することで納期短縮を実現する手法の1つになります。