Before (改善前)

屋外自立盤(ここでは重量とサイズが一定以上の盤と定義)のほとんどは、盤製作メーカーの工場内で製作・組立が行われ、完成品をクレーン等によって設置現場への搬入が行われます。中には屋外自立盤の設置環境が山間部や斜面などのクレーン車による搬送が難しいケースがあります。このような場合、屋外自立盤を作業員による手搬入に頼らざるをえません。屋外自立盤の重量が重い場合には、搬入に時間がかかったり、搬入時に作業員に危険が伴ったり、搬入自体ができずに盤を設置できない問題がありました。

V

After (改善後)

クレーン車が屋外自立盤(ここでは重量とサイズが一定以上の盤と定義)を設置する場所までたどり着かず、クレーンを使った搬入ができない場合、現地で組立可能な盤構造の採用が有効です。シーケンサなどの制御部品ユニットは比較的軽量であり、盤の重量は金属製の盤筐体がその多くを占めます。そのため、盤を6面パネル等に分解できる構造で設計・製作し、現地にてビス止めによって組立を行います。この盤の組立方法により、クレーン車で搬入ができない設置場所であっても、搬入時間の短縮や作業員のけがの防止を実現できます。

POINT(要約)

屋外自立盤の板金筐体を6面パネル構造にすることで、組立パーツ1つあたりの重量を60kg以下にできます。この60kg以下の盤パーツであれば2名で手搬入が可能になり、クレーン車によって搬入できない場所にも屋外自立盤を設置できます。従来の一体型の盤構造ではなく、設置環境を考慮した6面パネル構造の盤の設計技法は、遠隔地に設置されることがある通信盤などに非常に有効です。