Before (改善前)

制御盤を安定させるためにブラケットやベースなどが使用されますが、これらのコーナー部分を溶接することで、ブラケットやベースに強度を持たせるケースが多々あります。製作する制御盤の数量が少ない場合は、ブラケットやベースを溶接しても比較的、作業時間が問題になることはありません。しかし、制御盤の製作数量が増えると、溶接によって発生した歪み取りの作業が毎回発生するため、溶接工程が製作効率のボトルネックとなってしまいます。その結果、盤の納期の遅延やコストアップが起こってしまいます。

V

After (改善後)

制御盤を支える架台にブラケットやベースを曲げ構造にすることによって角部を溶接した場合と同等の強度を実現します(制御盤の重量等の関係から、曲げ構造で強度を実現できる場合に限り)。この曲げ構造はブラケットやベースをベンダーマシンの制御によって品質の安定が可能であり、尚且つ溶接のように歪み取りの作業が発生しません。この職人の腕によって品質のバラつきが起こり易い溶接と歪取り作業を発生させない盤構造を選択することで、盤の製作コストの削減と納期短縮にもつながります。また、盤の製作数量が増えた場合にも、量産生産体制を整えやすくなります。

POINT(要約)

部品の強度を高めるために溶接は一般的な加工方法ですが、溶接作業は溶接とその歪みの修正などの多くの作業工数が発生する危険性があります。そのため、溶接構造体の強度を板金加工の曲げ構造等で実現できる場合は、曲げ構造体の設計を選択することが盤のVEにつながります。